たった4年間を駐在した蘇州で皆既日食が見られるとは、何とラッキーな事か!。1年前から何処で見るか の検討を始めた。何故なら蘇州は空気が極めて悪いのだ。 皆既帯を調べると西蔵、四川省から上海へ抜ける事が判った。遠くへ出かけて曇り、蘇州では晴れでは目も当てられない。 と言う事で蘇州近郊に決定。近郊でより空気の 澄んだ場所として、隣の浙江省安吉県の山上湖へ日本人相手のツアーに参加する事とした。めぼしい観測地は規制が 有り個人では入れないのだ。 数週前から自宅マンションの庭でカメラを構え撮影訓練をしたかいが有り、トラブル無くダイヤモンドリングの 撮影もできた。約650mmの望遠では太陽がファインダー 中央からずれてしまい頻繁に調整したり、露光の変更などの作業が結構有るのです。感激で興奮してる上に暗闇 での操作は練習の成果が出たと思っています。
当日の天気予報は蘇州近郊は大雨。早朝2時頃の出発時には小雨が降っていました。希望無くバスに揺られ高速を 走っていると大雨になって来ました。 蘇州の方が良かったかなとの後悔も。山上湖の下の村に着く頃から雨は止みましたが厚い雲。急峻な山道を登り つめた頃、一瞬ながら太陽の方向が判る日差しが。 期待はするが、雲が有っては日食は見られない。ところが、バスを降りて歩き出すと日差しも、指定の場所に到着し 準備を始めると雲が切れ始める。 もしかしたらとみんなが思い始めた。食が始まっても雲はどんどん流れては来る。 始めのダイヤモンドリングも見られた、皆既のコロナも、赤いプロミネンスも見られた。最後のダイヤモンドリングの 一瞬から昼に戻った時には誰もが”ヤッタ!”。
不思議な感激の余韻を持ちながら下界に下りると、また雨が降り出した。日食の約3時間だけ顔を見せた太陽。 工場長から電話が入り”蘇州は大雨、夜になっただけ”と。 来て良かった。